2024年度から英検がリニューアル
2024年度から英検がリニューアルされます。https://www.eiken.or.jp/eiken/2024renewal/正確に言うと3級以上の級です。昨年までの英検は語彙力さえあれば合格できてしまうものだったので、変えるのは個人的には賛成です。2024年度第1回英検は6月2日に実施予定です。心配する人も多いと思いますが、難易度は変わりません。CEFRという国際基準に合わせていますから、難易度は変えられないのです。問題形式の割合が変わり、バランスが変わるということです。
具体的にはどう変わる?
では英検のHPを参考に具体的にはどのように変わるのか見ていきましょう。https://www.eiken.or.jp/eiken/2024renewal/
3級と準2級

試験時間は準2級は75分から80分に、3級は50分から65分に増加。準2級はReadingの問題数が37問か29問に。3級は問題数に変更はありません。問題数が減る、もしくは変わらないのに時間が増えているのは英作文が1題から2題に増えるからですね。Eメール問題が増えるということですが、メールでやり取りする機会は仕事でも学校でも増えていますから、より実践的な問題ということですね。文脈にあった文章を書く必要があるので国語ほどではないにせよ読解力も問われます。
2級~1級

2級以上は試験時間の変更はなし。Readingの問題数はどの級でも減る一方、Writingに要約が出現。東大はじめ大学入試でも頻出の問題形式ですから驚きはないもののしっかりと準備する必要はありそうです。Readingといいながら単に知識を問う問題が多かったのでバランスはよくなるのではないでしょうか。
ちなみに英検のHPにある2級の要約の例題を見てもいらない部分をそぎ落とすのではなく、自分で内容をまとめて英文を書き直す、いわゆるパラフレーズする必要がありそうです。https://www.eiken.or.jp/eiken/2024renewal/pdf/3_grade_2_w.pdf
準1級のスピーキングでは「受験者の意見を問う質問に話題導入文を追加」ということです。

文字で読んだだけだとなんのことやらという感じですが上の画像の赤い矢印で指した部分が追加されるということ。意見を問う前にワンクッション入れてくれるということですね。これまでの英検ではかなり唐突に話題が変わり自分の意見を求められていたのでより自然になった印象です。
大学入試同様「知識を持っている」だけではなく「知識を使える」ことが試される試験に
2023年度までの英検は語彙力が試される問題が多く、単語・熟語をしっかり覚えていれば突破できるものだったのですが、そうもいかなくなりそうです。当然ながら以下のように文法や全体の構成も評価の対象になります。

勉強の仕方はどう変わる?

さてではどのように対策していけばいいのでしょうか?
まずは語彙力の強化
昨年までに比べ、語彙力が直接得点に結びつく問題は減ります。が、語彙力は外国語学習の基盤です。これまで同様まずは語彙力を強化しましょう。できれば例文などと一緒に覚えておくとWritingでも知識が活かせるでしょう。また要約問題では「構成」も採点基準の一つですから、However, Thereforeなどをはじめとしたいわゆる論理マーカー (ディスコースマーカー) をしっかりと覚えておきましょう。当然読解でも役に立ちます。
文法・語法の学習を
Writingで正しい文を書くには正確な文法・語法の知識が必要です。やはりここでも単に暗記をするのではなく例文で、フレーズで覚えておくとよいでしょう。そして何と言っても実際に書いてみることです。自分では「よく書けてる!」と思っても文法的なミスを乱発していたり、そもそも設問の条件に合っていなかったりすることもありますからたくさん書いて慣れましょう。願わくば誰かに添削してもらえると理想的です。
Writing対策
やはり一番心配なのはWriting対策ということになると思いますが、それほど特別なことをする必要はないと思います。語彙力を強化し、文法・語法の知識を見直して作文の練習をするということです。ただ高得点を取れるようになるにはある程度の訓練が必要です。6月の英検まではまだ時間がありますから、同じような形式でたくさん練習を積むことが求められます。英検の参考書はもちろんですが、大学入試向けの参考書でも良いものはたくさんあります。Z会の『英作文のトレーニング』シリーズはhttps://www.zkai.co.jp/books/guide/id-2430/お勧めです。
要約については駿台からよい参考書が出ています。https://www.sundaibunko.jp/contents/book/900/
是非音読を
みなさん意外とやらないのですが英語学習に是非「音読」を取り入れていただきたいです。正しい英文を繰り返し読むことで、自然と語彙力が身に付きますし文法のトレーニングにもなります。発音に気を付ければ発音の練習にもListeningの練習にもなりますからやってみてほしいです。
2025年度には”準2級プラス”が登場
今回の話題とは直接関係ないですが2025年度からは”準2級プラス”が導入されます。なんでも「2級と準2級のレベルの差が大きいので間の級を作る」ということです。英検HPより。https://www.eiken.or.jp/eiken/2025newgrade/

結論:やるべきことは大きく変わらないのでまずは語彙力から鍛えて作文対策も少しずつ始めよう
今回のリニューアルでも難易度は変わりません。対策も激変したりはしません。英検を受ける人の中に大学受験をする人も多いと思うので、そういう人にとっては英検対策と受験対策の差が縮まったといえると思います。まずは語彙力の強化から始めて少しずつ頑張りましょう。
英検の新級や大学受験でどう使うかについては別に記事を書きたいと思っています。お読みいただきありがとうございました。
コメント